コクヨのぺんてるへの買収劇がついに決着を迎えました。
最新記事(2022年9月30日更新)コクヨVSぺんてる エピローグ編はこちら
過去のいきさつや背景は、KOKUYOとぺんてるの仁義なき戦い、KOKUYOとぺんてるの仁義なき戦い(続報)で解説しているので、そちらも併せてごらんください。
結論からいうと、
コクヨ、敗戦
となります。なぜそうなったのか?結局のところ本当の勝者は誰なのか?をやさしく解説いたします。
ぺんてる勝利 コクヨ敗北の内容について
- KOKUYO(業界首位)はぺんてるの海外販売網が欲しい
- ぺんてるの株を持ってる会社を買収して、株主になる(37.8%)
- 株を買い進めるためTOB(株式公開買い付け)をしかける(3500円/株)
- 買収されたくないぺんてるは、業界2位のPLUSに助けを求める
- PLUSは応じて、同じく3500円/株で株を買い進める
- KOKUYOは買い取り額を増額(3750円/株)
という流れでした。会社というのは過半数(50%以上)の株式を取れば、晴れて買収成功となります。
37.8%の株を握り、残り15%弱となったKOKUYOは、買い取り価格も上げたことで余裕で勝利かと思われましたが、結果は。。。
ぺんてる・PLUS連合軍の勝利となりました。
この勝負、なぜこのような結末になったのか少し深堀して解説します。
KOKUYOが負けた2つの理由
KOKUYOが今回の買収に失敗した理由は大きく2つあります。
- 非上場企業へ敵対的買収を仕掛けたこと
- PLUSとのスタンスの違い
それぞれ解説していきます。
ぺんてる買収失敗の理由1.敵対的買収
上に書いた流れを見ると、KOKUYOは最初からだいぶ強引な手法でぺんてる株を買い進めていました。
ぺんてるの残りの株主は従業員の持ち株や、経営陣に近しい人たちで構成されています。が、非上場企業であるがため、実はKOKUYOは「誰が株を持っているのか」の情報を得ていませんでした。
そのため、TOB(株式公開買い付け)という手法で、
というスタンスを取らざるを得なかったのです。
当然ぺんてる経営陣に近しい株主たちは、
と考えて、株の譲渡をためらったと思われます。買取価格が高かったにも関わらずです。
事実、TOBを仕掛けてからの株の入手は全体の10%にとどまったのです。
もしKOKUYOが株主名簿を入手できていれば、個別に懐柔して買収に成功していたかもしれませんね。
ぺんてる買収失敗の理由2.PLUSのスタンス
コクヨはあくまで株式の過半数を取得し、子会社化することを目指していました。しかし、買収合戦 続報に書いていますが、PLUSはあくまで
プラスしょーがないなぁ。じゃあ僕も3,500円で株を買い取るよ。でも君のトコの経営に興味はないから、33.4%までしか買わないよ。
というスタンスでした。あくまで経営に口出しはせず、「協力して過半数を目指しましょう」という形をとっていたのです。
当然経営陣に近しい株主は、
という考えに至り、こちら側へ積極的に株を売却していったと考えられます。
PLUSの狙い この買収合戦の真の勝者
今回の買収劇において、圧倒的に利を得たのは「PLUS株式会社」でしょう。
業界2位に甘んじるPLUSですが、この買収合戦で
- PLUSという名前が、いいイメージで売れた
- 業界首位のKOKUYOのイメージが悪くなった
という2つのメリットをガッツリ享受できたからです。業界トップを狙うPLUSにとって、こんなに思い通りに事が運ぶと、笑いが止まらないでしょうね。
私ヤシロの想像ですが、おそらくPLUSはぺんてるから話を持ちかけられた時点で、裏情報まで確認した上でこの青写真を描いていたと思います。だとしたら本当に
まとめ
KOKUYOとぺんてるの仁義なき戦い の終結編ということで、勝敗と何が勝負を分けたかのポイントを解説してきました。
企業同士の抗争は、はたから見る分には本当に面白いですね。
また、『ビジネスは情報だ』というのがすごくわかる戦いでもありました。
働き方改革で残業代が減らされ、同一労働同一賃金制で各種手当が削られそうな今、サラリーマンは投資をして生きていかなければ、食べていけない時代がきっと来ます。
そんなとき、投資先企業のこのような背景をしっかり知っておけば、株式投資にとても役に立つこと間違いなしです。
これからも有益な情報をどんどん発信していきますので、お楽しみに!!
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間違っても◯村証券とか大◯証券で開かないようにw手数料がえげつないですのでw