最新記事(2022年9月30日更新)コクヨVSぺんてる エピローグ編はこちら
以前コクヨ(KOKUYO)とぺんてるが繰り広げている仁義なき戦い、通称「KP戦争」について解説いたしました。今回続報があったので、そこを突っ込んで解説いたします。
- 業界第2位の「プラス」がぺんてる株の買い付けへ(ぺんてるの味方)
- ブチギレたコクヨは、株の買い付け価格をUP(3,500→3,750円)
泥沼化しそうなこの抗争劇です。
って人のために、今回も5分でわかる解説をいたします。
決着編はコチラです
コクヨとぺんてるで起こっていること(前回のおさらい)
たびたびニュースに出るコクヨとぺんてる。両社に起こっているのは、ざっくり以下のようなことが起こっています。(おさらい:コクヨとペンテルは何で争ってんの?)
という流れで、コクヨがぺんてるを手に入れるため、ぺんてる株を買い漁っている、というのが前回の内容でした。
※ぺんてるは「非上場株式」で一般の人や会社は、ぺんてる株を購入することができません。そのためコクヨは株主(投資ファンド)を買収して、実質ぺんてる株を手に入れたのです
※※TOB(株式公開買付)と言われる手法で買い進める方針です。TOBとは、株主に直接「この金額で買いますよ」と宣言して、株式市場外で直接やり取りする手法です。
コクヨとぺんてるで起きていること(プラスの登場)
今回はここからさらに自体は進展します。第3者である「プラス株式会社」が大きな役どころとなって物語は展開します。
プラス株式会社の企業情報
前回出てきた2社、コクヨとぺんてるに比べ、あまり馴染みのない「プラス株式会社」。しかしこの会社は、知る人ぞ知る巨大文具メーカー(売上高1772億円:業界第二位)だったのです。
有名な商品としては、ハサミやのり(Pritt)があります。
とお思いの方も多いのではないでしょうか。
しかし何と言ってもこの会社、実はあの「アスクル」の親会社なのです。社会人の方にはお馴染みの、オフィス用品の通販会社の先駆けであるアスクル。元々はプラスの通販部署だったものが独立して業務拡大(売上高:3874億円)したものだったのです。
コクヨとぺんてる、プラスの愛憎劇
そんなプラス株式会社ですが、今回この買収劇では、ホワイトナイト(白馬の騎士)役として登場します。
ホワイトナイトとは、敵対的買収(意に沿わない買収)をされている企業に手を差し伸べて、資金援助や株の引き受けをする、文字通り白馬の王子様的な味方のことです。
※今回登場人物のイラストが変わりますがあしからず
2019年11月19日
元々秘密裏にプラスとの提携を進めてきたぺんてるですので、この提案は経営陣の意図に沿った最高のものでした。
絶対売らないであろう創業者や従業員持株会などを含めて、20%程度プラスが買い集めれば、コクヨの買収(50%以上の株式取得)を阻止できると思ったぺんてるでしたが。。。
翌11月20日
というように何とコクヨは、買取価格をさらに引き上げてまでぺんてる株をかき集め始めたのです。
ぺんてる経営陣の意見に賛同している株主も、250円高い買取金額を提示されればコクヨに株を売却することも十分考えられます。
- 仁義でプラスに売る・そのまま保有を続ける か
- 利を取ってコクヨに売却するか
株主の動向も注視されます。
プラスの狙い (ヤシロの予測)
なぜ今回プラスがホワイトナイトに手を挙げたのか?を少し考察していきます。
プラスは前々からぺんてると提携関係を築いてきていました。もちろんそれも一つの理由だと思いますが、実はプラス社には次のような狙いがあったのではないか?と考えます。
成功した場合
- ぺんてるの議決権をある程度握ることができます。発言権は強くなりますし、より深い提携を築いて、海外販路を有利に使うこともできる利点があります。
- また、ホワイトナイトを務めたということは、内外のイメージをアップできます。
失敗した場合
- コクヨが投資ファンドを買収した時、ぺんてる株を1株3,000円で入手したと言われています。そのため3,500円という買取金額は、「相当奮発した額」(M&Aに詳しいアナリスト)と見られていましたが、今回プラスが入ってくることでさらに買取金額を上げざるを得なかったことは、コクヨにとって大きな痛手だと思われます。
- つまり、コクヨのお財布にダメージが残るとともに、今回の経緯からコクヨの評判は毀損されかねません。
どちらに転んでも、自分の利(相手の損)になるのです。業界2位のプラス社にとって、第1位に躍り出るまたとないチャンスですね。
まとめ
コクヨのぺんてる買収劇の続編を解説しました。
まとめると
- コクヨはぺんてるを買収したい
- 買収されたくないぺんてるは、業界2位のプラス社に助けを求める
- 買収したいコクヨは、株の買取価格をさらに引き上げる
という流れです。これ以前の流れをまとめた記事もありますので、そちらも是非読んでみてください。
また、ことの顛末をまとめたコクヨ-ぺんてる戦争の決着記事も見ていただくとよくわかりますよ。
非常に愛憎もつれる企業買収劇。(はたから見る分には)非常に面白いですね♪
働き方改革で残業代が減らされ、同一労働同一賃金制で各種手当が削られそうな今、サラリーマンは投資をして生きていかなければ、食べていけない時代がきっと来ます。
そんなとき、投資先企業のこのような背景をしっかり知っておけば、株式投資にとても役に立つこと間違いなしです。
これからも有益な情報をどんどん発信していきますので、お楽しみに!!
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