Twitterなどで、
なんてツイートがアホ程出回ってます。こんなんとか。
が、声を大にして言いたいです
はっきり言って、悪質なデマです。色々と妄想を膨らまして、問題をすり替えています。そこのところをやさしく解説していきます。
と不安な方も、そんなこと現時点心配ないことがこの記事でわかってくれるはずです!
そもそも日米FTA(自由貿易協定)って何?
自由貿易協定とは、WIKI先生によると
自由貿易協定(じゆうぼうえききょうてい、英: Free Trade Agreement、FTA)とは、2ヶ国以上の国・地域が関税、輸入割当など貿易制限的な措置を一定の期間内に撤廃・削減する協定である。締結国・地域間の自由貿易および投資拡大を目的として関税/非関税障壁を取り払う。北米自由貿易協定等の多国間協定と、2国間協定とがある。
引用 Wikipedia
とのことです。要は
自由に貿易するために、関税を緩和したり撤廃する約束ごと
ってことです。
今回(2019年11月19日)衆議院で可決された「日米FTA(自由貿易協定)」はこの約束を日本とアメリカで取り交わしたものになります。
アメリカが入ってないんや。
- オーストラリアやカナダ等11か国と結んだものがTPP
- アメリカとだけ結んだものが日米FTA
つまり「TPPと日米FTAはまったく別物」ってことをまず頭に入れておいてください。
日米FTA(自由貿易協定)の中身は?
では気になる中身を見ていきます。内閣官房の発表より抜粋すると、主な駆け引きは
- 車関係の追加関税の抑止
- 米・乳製品等の関税撤廃枠からの除外
- 飼料用トウモロコシの大量引き受け
といったところになります。そのほか多数の品目について関税の撤廃・緩和が行われました。ちなみに関税の撤廃枠は
日本 | 84% |
アメリカ | 92% |
となっています。また多くの品目で、TPPと同程度、輸入牛肉に関してはTPPより日本の農家を保護する関税になっているのです。
トウモロコシ引き受けのニュースが大きかったため、
という感じでしたが、実は大体対等な条件なのです。
と思われますが、実はほっといたら
という目論見があったのを阻止したこと、対アメリカ輸出で最大の売り上げを誇る「自動車」の税金を抑えられたのは、自動車業界の中の人であるヤシロからしたら、Good Job!!としか言いようがありません。
なぜトウモロコシを輸入させられたのか?
ここで疑問が出てきます。なんで「トウモロコシ」の輸入をさせられたのか という事です。これはおそらくこういうロジックです。
2018年
<解説>
コーンベルトはアメリカの北中部の「トウモロコシ」がよく獲れる地域を指します。
またこの辺は自動車産業も盛んで多くの自動車工場が並んでいます(活況とは言えませんが。。)
という説が有力です。
なぜ「医療制度の崩壊」というデマが流れたのか?
政府の公式情報をご覧のとおり、FTAの条項には「医療費などの制度面」には全く言及されていません。
あくまでただただ輸出入の関税に関する取り決めなので、国の制度を揺るがすものになりえないはずなのです。
ではなぜ、このようなデマがまことしやかに語られるのか?それには「TPP」がかかわってきます。
TPPに関しての内容に
というものがあります。
製薬会社が特許を持ったクスリは、その製薬会社が独占的にある程度いい値段でクスリを売ることができます。
特許が切れたクスリはいわゆる「ジェネリック医薬品」で、各社自由に販売できるので価格は安くなります。
つまり特許期間の延長をすることで、「クスリの価格が高い時間が長くなる」という事なのです。
「医療制度の崩壊」と一時期言われていたのは、このことをメディアが
「クスリが高くなる」
⇒「医療費が高くなる」
⇒「医療費の高い外国と一緒の状況やー」
という無理くりな拡大解釈で起こしたミスリードなのです。
もちろん可能性が全くないとは言い切れません(0.何%くらいかな)が、すぐにそれが起こるとは考えられませんし、なったとしてもTPPだけが原因ではないはずです。
ちなみに、この条項は日米FTAには入っていません。
で、今回のFTAでのツイート騒ぎを見ていきましょう。
右上のフリップを拡大しましょう。
ん??TPP??
そうなのです。実はTPPとFTAをごちゃまぜにしてミスリードさせた、ミスリード情報を使ったミスリード、まるで頓珍漢なデマ情報なのです。
TPPに関しては10000歩譲ってあり得るシナリオかもしれませんが、FTAの影響では全くあり得ないことなのです。
医療制度の崩壊に関しては、
- 少子高齢化の進行
- ムダな延命措置の増加
等の影響で現実味があるかもしれませんね。国会の場では、これらに関する対策等のような有意義なことに議論の時間を割いてほしいのですが。。。
不安をあおる商法 今回の日米FTAの場合
TwitterやFacebook、instagramをやられている方は、このような広告を見たことありませんか?
先ほどまで書きましたが、このように「健康保険なくなる」なんてことはないのです。
これを作った人は、一体なぜこんなことを金をかけて拡散してるのでしょうか??
ヒントは誘導先にあり
「広告を打つ」目的は、人を集めて自分の利するようにする(物を売る、情報を集めるetc.)ことです。
今回のケースはどうでしょうか?
広告のリンク先をたどると、ここにたどり着きます。どうやら黒幕は全国健康保険連合会(以下健保連)のようです。
ではなぜ健保連がこのように人を集めることをしているのでしょうか?
ここからはヤシロの推測になりますが、こんなシナリオがあったと思います。
憶測の域を出ませんが、「不安をあおって民衆を動かしてどこからかお金を得る」というのは昔から使われた手法です。今回もそのたぐいのものではないでしょうか?
こういう広告を打ち出すだけでも大変なお金がかかるので、何かしらのリターンはもくろんでいるはずです。
まとめ
今回の日米FTAに関するデマについて、まとめると
- 日米FTAは大体トントンな条約(決して不平等ではない)
- 日米FTA締結により、医療制度が崩壊したりはしない
- 日米FTAとTPPは全く別のもの
となります。むしろ少子高齢化の影響で医療制度が崩壊する可能性が高いように思います。
さて悪質なデマを拡散するということは、悪質なデマを作るのと同じくらい罪深いものだと私は考えます。
ぜひ、自分が拡散する情報の正確性を見極めてください。とくに公式情報以外のSNSなどでの情報は、かならず一度は確認するほうがいいでしょう。
要はこういうことですね。
見極め方としては、「この情報を流すことで、誰が得するのか」という事をたどると、案外スムーズに真偽がわかったりしますよ。