半年~一年先の景気を教えてくれる工作機械受注
景気がこの先どうなるのか?それがわかれば投資で苦労はしませんよねw
この先未来の景気がわかる魔法のような指標
そんなものあるわけない?
あるんです。今後の景気を占うお助け指標、それが「工作機械受注」なのです。
この記事では、「工作機械受注」という指標について、その意味と見方や目安、使い方をやさしく解説します。
物事に絶対はありませんが、あなたの投資ライフの助けになれば幸いです。
工作機械受注ってそもそも何?
工作機械受注とは、その名の通り、「工作機械」の注文を「機械メーカー」が受注した金額のことです。
日本工作機械工業会から毎月公表されているデータで、日経新聞や多くの金融機関が動向に注目する非常に信頼性がある指標です。
この指標は半年から一年後の景気を反映する指標だと言われています。
工作機械とは、Wikipediaによると
工作機械(こうさくきかい、英: machine tool)は、金属、木材、石材、樹脂等に切断、穿孔、研削、研磨、圧延、鍛造、折り曲げ等の加工を施すための機械である。一般に加工対象物または工具の運動(回転または直線移動)によって、加工対象物を削り取り目的の形状に加工する。
近年では、数値制御を行うNC加工で、機械加工を自動化した工作機械が主流である。これらの機能を搭載した工作機械は「マシニングセンタ」「ターニングセンタ」などと呼ばれている。
だそうです。要は「機械を作るための機械」です。
なぜ工作機械受注の額で、未来の景気がわかるのでしょうか?それは実際のやり取りを想像すれば分かります。
ヤシロくんが営む町工場を例に考えてみましょう
(3ヶ月後 機械が搬入される)
(2ヶ月後 納品して代金が入る)
(1ヶ月後 給料振込)
という流れになります。このように企業が増産を行うためには、一般的に設備投資が必要です。この設備というのが「工作機械」になります。
しかしこの工作機械というのは、ホームセンターで買う機械のように欲しいからといってすぐ手に入るものではありません。一品一様の仕様であることがほとんどですので、発注してから手に入るまで3ヶ月程度は軽くかかります。
そこからモノを作って、お金が入ってきて実際に給料に反映するのにも3ヶ月は最低かかります。
なので、工作機械を発注(受注)してから半年後以降に、労働者の懐が潤うというわけです。
お金を持った労働者がお金を使うことで、小売店・サービス業の売り上げも上がり、社会全体の景気がよくなる という流れになります。
このことから、
工作機械受注が好調なら、近い将来(半年〜一年後)の景気見通しが明るい
ということになるのです。
ちなみに私ヤシロは自動車関連の仕事をしていますが、その肌感覚でいうと、工作機械は発注から納品まで半年以上はザラで、納品した工作機械で実際に モノを量産するのに3ヶ月くらいはかかります。そして軌道にのるのにさらに3ヶ月くらいかかり、お金が入るのに2月ほどかかるので、1年半近く後にようやく(自分の)景気が上向くかな?という感じです。
工作機械受注の目安 どれくらいなら好調なの?
ではどれくらいの値なら、景気がよくなりそうなの?という目安を解説します。
ざっくりいうと、
「1000億円」以上なら好調、以下なら不調です。
もちろん決算月などの関係で上下したりしますが、大体の目安は1000億円です。
そして、同時に前年同月比を見てください。
去年の同じ月の額より増えていれば、今後景気は良くなる方向になりますし、減っていれば、少し景気後退がちかづいているな。という目安になります。
工作機械受注のデータをうまく使うには??
工作機械受注のデータを基に、今後の景気がわかるということをどうやって使っていけばいいのでしょうか?
ここでは「投資をする」ということを前提に話をしていきます。
工作機械受注で占える景気は、日本経済全体の景気です。「トヨタ自動車」や「ソフトバンク」といった、個別の企業の株価については、その企業個別のニュースに左右されるウエイトが高いです。
ですので、狙うべきは日本の大企業の株価をまとめた指標である「日経平均株価」なのです。
まとめ
工作機械受注という指標について解説してきました。
まとめると、
- 工作機械受注は半年〜一年後の景気を写す鏡のような指標
- 1000億円が好況・不況のターニングポイント
- 先月/前年同月と比べて判断する
ということです。
この指標を使って、ETFやCFDへの投資をやることで半年〜一年後の儲けにつながるというわけです。
もちろん景気に絶対はありません。投資に関しては自分の余剰資金を使って自己責任でお願いします。