この記事では、すでにふるさと納税をした人が陥りやすい落とし穴について、失敗例とその回避方法を紹介しています。
ふるさと納税は、サラリーマンの90%以上が得をする非常にありがたい制度です。
と感じている方も大丈夫。「初心者でも簡単!10分でできるふるさと納税」の記事でも書きましたが、ホントに10分でできちゃう簡単な制度なんです。
しかしそんなお得な「ふるさと納税」に、実は隠れた落とし穴があるんです。最悪の場合
ふるさと納税が無効になって、ただただ高い買い物(寄付)をした。。
なんてことも。。
この記事では、
- 最悪の事態が発生するメカニズム
- それを避ける方法や注意点
をやさしく解説いたします。
これを見れば、安心してふるさと納税を堪能できますよ!
ふるさと納税の仕組み 得をするメカニズム
まず「ふるさと納税」がなぜお得なシステムなのかをザックリ解説します。
ふるさと納税は、ある自治体(故郷じゃなくてOK)に寄付をして、寄付金に応じた返礼品を受け取れる制度です。
大体寄付金の20~30%程度の商品が返礼品として贈られてきます。
そして「(寄付した金額)-2000円」分、翌年の住民税が安くなる
という仕組みです。(限度額以内の場合)
つまり、
税金を先払いするだけで、実質2000円で返礼品を沢山手に入れられる
というお得な制度なのです。
ふるさと納税を手軽に使うために ワンストップ特例制度
普通のサラリーマンにとって確定申告を行うことは、とてもハードルが高いですよね。(実は結構簡単なんですがね。)
というサラリーマンの方にも、気軽にふるさと納税してもらおうと出来たのが、「ワンストップ特例制度」です。
この制度を使えば、確定申告することなく税金を減免してくれるのです。
そのやり方はこんな感じです。
ワンストップ特例制度のやり方
- 寄付先から送られる申請書に必要事項を記入
- マイナンバーカードか個人番号がわかる書類のコピーを同封して送付
以上。簡単ですよねw
(参考:申請者確認資料)
ただし、ワンストップ特例制度を使うにはいくつか条件があります。
ワンストップ特例制度をうける条件
1.もとから確定申告する必要のない給与所得者であること
年収2,000万円以上のサラリーマンや、医療費控除・住宅ローン控除の初年度の方は、確定申告が必要です。当てはまる人は確定申告が必要ですので、個別に確定申告をしてください。
2.1年間(1月1日〜12月31日)での寄付先が5自治体以内
6箇所以上に寄付した人は、ワンストップ特例制度の対象外です。確定申告が必要です。
ただし1つの自治体に複数回寄付した場合は、何度寄付しても1自治体とカウントします。
3.その都度寄付先の自治体に申請書を送っていること
1つの自治体に複数回寄付してもカウントは1自治体ですが、申請書はその都度返送しないといけません。
1回の寄付につき、1枚の申請書が必要になります。
これら全てに当てはまれば、確定申告無しにふるさと納税が完了します。
注意点として、申請書は寄付したの翌年1/10に自治体必着です。
ふるさと納税 ワンストップ特例制度の落とし穴 そのメカニズム
このように簡単に確定申告を回避できる神制度に見える「ワンストップ特例制度」ですが、実は怖い怖い落とし穴があります。
それは、「確定申告をすると、ワンストップ申請がキャンセル扱いになる」ということです。
ドラクエ風にいうと、スカラやバイキルト(ワンストップ制度)がいてつく波動(確定申告)で無効化されるイメージでしょうか。
ただただMP(寄付金)を消費して、恩恵にあずかれない(返礼品はもらえる)憂き目にあってしまいます。
ふるさと納税をした年に
- 家を買って、住宅ローン控除を受ける
- 怪我や病気で医療費控除を受ける
- 調子に乗って6箇所以上寄付をした
そんな人は要注意。確定申告をしないといけないので、ワンストップ特例制度が無効化されてしまいます。
特に3の人は、
ってことはありません。全てのふるさと納税分を確定申告しなければいけません。
もしそれを怠ったら。。。。
寄付金分の住民税が引かれることなく、ただただ○万円で地方の米や肉をもらったという事態に陥ります。
私の周りにも住宅ローン控除申請の確定申告の時に、ふるさと納税の申請を忘れてしまい、結果的に割高なお米(1万円の寄付で10kgのお米)を食べる羽目になった同僚がいます。
そうならないためにやることは一つです。
きちんと確定申告すること
確定申告というと難しいイメージですが、実は簡単に出来ちゃいます。
1、2の方は確定申告のついでに数クリックするだけで寄付金控除の手続きが完了しちゃうんです。
そのやり方を順を追って見てみましょう。
ワンストップの落とし穴回避 確定申告でのふるさと納税申請方法
ふるさと納税の確定申告のやり方を抜粋して紹介します。
- 源泉徴収票
- 寄付金受領証明書
- 印鑑
- マイナンバーカードor個人番号がわかる書類(※)
※個人番号がわかる書類一覧
確定申告でふるさと納税の申請をする方法(抜粋)
ここでは、ネット上で確定申告を行う方法を解説しています。
確定申告に慣れてない(カードリーダーなど持ってない)一般サラリーマンを想定しています。
1.国税局の確定申告書等作成コーナーから作成開始
国税局HPから、確定申告書等作成コーナーへ飛びます。
ここの「作成開始」をクリックします。もし過去確定申告をしたことがある場合や途中から作成する場合は「保存データを~~」を選んで、「.data」ファイルを読み込ませてください。
ここを見る大半の方は、初めての確定申告だと思います。そんな方は「印刷して提出」を選んでください。
2.作成申告書の選択
ブラウザやOS、使用環境を確認されます。下のほうへ移って「利用規約に同意して次へ」をクリック。
すると下のような画面になるので、「所得税」をクリック。
3.入力方法選択
サラリーマンの皆さんは、給与所得のみがほとんどだと思います。ですので、一番左の「給与・年金の方」をクリック。
すると必要書類や属性の確認画面になります。ふるさと納税の証明書が必要だと赤線部に書いてありますね。ここで自分が対象なのかを確認して「次へ」をクリック。
4.提出方法の選択等
この画面で、生年月日を入力して「入力終了(次へ)」をクリック。
5.所得の種類・内容選択
所得の種類を3つの中から選びます。サラリーマンの人は「給与のみ」ですね。
次に勤務先の数と年末調整の有無を聞かれます。素直に答えてください。
6.適用を受ける控除の選択
ここで出ました。ふるさと納税をした人は「寄付金控除」の部分にチェックを入れて「入力終了(次へ)」をクリックです。
「医療費控除」や「住宅ローン控除の初年度」って人は確定申告が必要ですが、この画面で各種入力してください。
7.給与所得の入力
源泉徴収票を準備し、「入力する」をクリックして給料の額等を入れていってください。
どこの値を入れればいいかを解説してあるので、その通りに入れていけば間違えませんよ。
最後まで入れると、こんな画面になります。「入力終了(次へ)」をクリック。
8.所得控除の入力(ふるさと納税の額はここで入れる)
この画面で、寄付金控除の「入力する」をクリックします。
ここで「入力する」を選ぶと、寄付先の情報を入れる画面に切り替わります。
このように、ふるさと納税の寄付金先の入力画面を入れていきます。
①の寄付金の種類を「都道府県、市町村に対する寄付金(ふるさと納税など)」を選ぶと、②③を入力する部分が出てきます。(今回は、佐賀県上峰町を例に出しています)
それぞれ入力していって、この一件のみなら「入力内容の確認」をクリック。
他にも寄付先がある場合は、「別の寄付先を入力する」「同じ寄付先をもう一軒入力する」を選んでください。 (
すべての件数の入力が終われば、「次へ進む」をクリックします。(メリット へ戻る)
この年行ったすべてのふるさと納税を入力します。ワンストップ特例を行ったものも全てです。(確定申告をした時点で、ワンストップ特例がキャンセル扱いになるので)
あとは、指示に従って入力していき「申告書等印刷」の画面まで行きつけばOKです。
この画面で印刷をして、郵送するなり直接提出を行えばOKです。
ふるさと納税を確定申告するメリット
ワンストップ特例制度の落とし穴を回避するための確定申告。難しそうに見えて、意外に簡単だと思いませんでした?
実はほかにも
一回の申請で全て終わらせられる
というメリットがあるんです。
ワンストップ特例制度を使う場合、その都度申請書を寄付した自治体に返送しないといけませんでした。
実はこの作業、結構手間なんです。
それに対し確定申告の場合は、この画面で「別の寄付先を入力する」「同じ寄付先をもう一軒入力する」を選ぶと、複数の寄付先をいっぺんに入力できるんです。
3か所以上にふるさと納税している人なら、実は作業量は
ワンストップ制度≧確定申告
なんじゃないか?と思うくらいの作業量なんです。
またワンストップ特例制度を使っていると
という呪縛にとらわれます。全国にはいろんな自治体が魅力的な返礼品をそろえています。5か所以内に抑えるなんて、目移りしちゃって実にもったいないことなんです。
このようにふるさと納税の確定申告には
- 3か所くらい以上なら作業量が少ない
- 5自治体以内という呪縛からの解放
というメリットがあるんです。
と考えている方は、ぜひ確定申告を自分で行ってみてください。何度も言うように、意外と簡単です♪
まとめ
ふるさと納税の便利な制度「ワンストップ特例制度」には、落とし穴があります。
確定申告しちゃうと、ワンストップ特例制度が無効化
これを防ぐには、
確定申告時に、寄付金控除をちゃんと行う
ことが必要です。
手順通りに進めると意外に簡単な確定申告。
- 3か所くらい以上なら作業量が少ない
- 6自治体以上にふるさと納税できる
というメリットがあるので、ぜひ一度挑戦してみてくださいね♪